兄弟間の遺産分割協議が進まず、弁護士が入り、金融機関からの払い戻しを受けた事例 |高の原法律事務所相続専門サイト

                       
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●背景

  Aさんは3人兄弟の長男でした。父が死亡したことで、相続が発生しましたが、三男(Bさん)との折り合いが悪く、遺産分割の協議ができませんでした。

 

  遺産の中には金融機関の預金が含まれており、Aさんはこれだけでも先に自分の法定相続分である3分の1を取得したいと考えました。 

 Aさんは、金融機関に法定相続分の払い戻しを求めましたが、Bさんが払い戻しに同意をしないため、金融機関は払い戻しに応じてくれませんでした。

  Aさんは困って当事務所を訪問し、弁護士に相談し、この件の解決を委任されました。

 

●弁護士の関わり

  任意での払い戻しが困難であることから、弁護士は金融機関に対して預金払い戻しを求める裁判を起こしました。

  金融機関は、当初払い戻しには難色を示していましたが、弁護士が次男とBさんに訴訟告知を行い、特段の意見も出なかったことから、最終的にはAさんの法定相続分3分の1について払い戻しに応じる内容で和解が成立しました。

  このようにして、Aさんは無事に預金について相続分を取得し、目的を達することができました。

 

●弁護士の所感

  相続人全員が合意しないと遺産分割協議は成立しません。それまでは、すべての相続人が全く遺産を手にすることができません。

 

 以前は、この実例のように預金や貯金については遺産分割協議が成立していなくても自分の法定相続分については払い出しを受けることも可能でした。

 しかし、最新の最高裁判断では、預金も遺産分割の対象とされ、遺産分割協議が成立しないと金融機関の貯金や預金は払い出しができなくなりました。

 相続人同士の争いのため遺産分割ができなくなるのは大変困ったことです。このような事態を避けるため、遺言書を書いて自分の財産をどのように分割・相続させるのかについての意思を明確にしておくことは大事なことです。

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