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コラム

遺留分にも時効がある?遺留分侵害額請求権の消滅時効に要注意です!

「遺留分にも時効がある?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
遺留分を侵害された場合の手続きである、遺留分侵害額請求権には消滅時効があり、その期限を過ぎると請求ができなくなってしまいます。
しかし、その時効にはいくつかのルールがあり、複雑な要素も含まれています。
 
そこで本記事では、遺留分侵害額請求権の時効期間や除斥期間、時効を中断するための方法などについて解説します。
遺産相続に関する問題に興味のある方や、具体的なケースに応じた対策を考えている方は、ぜひご覧ください。
 

1.遺留分侵害額請求権の時効期間

遺留分とは、遺留分権利者(兄弟姉妹以外の法定相続人)に認められた、最低限の遺産取得分のことです。
そして、他の相続人が遺留分を侵害した場合、その遺留分を取り戻すために遺留分侵害額請求権を行使できます。
 

1)遺留分侵害額請求権の消滅時効は1年

遺留分侵害額請求権の時効期間は、民法1048条によれば「相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年」とされています。
つまり、被相続人の死後に遺留分侵害を知った場合、その知った時点から1年以内に遺留分侵害額請求権を行使しなければなりません。
この時効期間は非常に重要であり、期限を過ぎると遺留分侵害額請求ができなくなってしまいます。
 

2)遺留分侵害額請求権の除斥期間は10年

除斥期間とは、相続が発生してからの期間で、相続発生を知らなくても進行します。
除斥期間は相続開始の時から10年間となり、この期間内には遺留分侵害額請求権を行使できますが、除斥期間が経過してしまうと請求権も失効してしまいます。
したがって、侵害が発生した場合は早めの対応が重要です。
 
参考:裁判所「遺留分侵害額の請求調停
参考:e-GOV法令検索「民法(1046条・1048条など)
 

2.遺留分侵害額請求権を行使した後の金銭債権の消滅時効は5年

遺留分侵害額請求権を行使した後、遺留分の支払いを金銭で受けた場合、その金銭債権にも消滅時効が適用されます。
消滅時効とは、一定の期間が経過することで、債権が消滅する制度です。
 
遺留分の金銭化に伴う権利は、通常の金銭債権と同じで、原則として5年で時効となります。
ただし、これは遺留分侵害額請求権自体の時効とは異なります。
遺留分侵害額請求を期限内に行っても、金銭債権の時効が切れてしまうと、最終的には遺留分相当の金銭を受け取れない可能性もありますので、金銭債権の時効には注意が必要です。
 

3.遺留分侵害額請求権の時効完成を中断する方法

遺留分侵害額請求権は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないと、時効により消滅してしまいます。
しかし、時効の進行を中止する方法も存在します。
 

 

1)相手方に書面で遺留分請求の意思表示をする

まず、遺留分侵害額請求権の時効を中止するためには、遺留分侵害の事実を知ったときに、相手方に対して書面で通知を行う必要があります。
この通知によって、時効の進行が一時的に中断されます。
口頭での意思表示では、後のトラブルの原因となってしまいますのでご注意ください。
 
通知を行う際には、内容を明確かつ具体的に記載することが重要です。
遺留分侵害の事実やその根拠、請求額などを明示し、相手方に対して遺留分侵害額請求権の行使を主張する意思を明確に伝える必要があります。
「配達証明付きの内容証明郵便」など、確実な証拠となるようにしましょう。
 

2)早急に遺留分侵害額の請求を行う

さらに、通知を行った後は、遺留分侵害額請求権を主張するための訴訟などの手続きを早急に進めることが重要です。
時効の中止は一時的なものであり、遺留分侵害額請求権を行使するためには、適切な手続きを迅速に行う必要があります。
 
また、遺留分侵害額請求権の時効を中止するためには、法的な助言や専門家の支援を受けることも有益です。
弁護士などの専門家に相談し、適切な手続きや必要な書面の作成などを行うことで、遺留分侵害額請求権の時効完成を中止することができます。
 
遺留分侵害額請求権は、遺産分割において重要な権利です。
適切な手続きを行い、時効を中止することで、遺留分を適正に受け取ることができます。
 

4.遺留分のトラブルは弁護士に依頼しよう

遺留分にも時効があること、時効期間や除斥期間、時効を中断する方法などについて解説しました。
遺産相続において、遺留分侵害額請求権は重要な権利ですので、しっかりと理解し、適切に対応することが大切です。
遵守すべきルールや法改正にも注意し、遺留分を守りましょう。
 
遺留分侵害額請求権やその時効については、複雑なルールや条件が絡んでいます。
遺留分に関する問題が発生した場合、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士は専門知識や経験を持っており、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
自身が受け取るべき相続財産を守るためにも、遺留分侵害や時効について理解し、適切な対策を取りましょう。

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