コラム
遺留分がもらえない!主な原因やパターンと対処方法を解説
「遺留分がもらえない!」このような問題に直面してしまうことは少なくありません。
相続人なのに遺産や遺留分を受け取れない状況は、相続トラブルの1つとして頻繁に起こります。
遺留分がもらえない原因には様々なケースがあり、生前贈与や遺贈によって財産が他の相続人に分散してしまったり、相続人の1人が遺産を独占してしまったりすることもあります。
この記事では、遺留分がもらえないパターンや対処方法を解説します。
遺留分侵害額請求権や遺言書の無効を主張するなどの手続きを行うことで、遺留分を取り戻すことができる可能性もあります。
相続問題に直面した際には、適切な対処方法をとれるようにしておきましょう。
1.遺留分がもらえない主な原因やパターン
遺留分がもらえない主な原因やパターンについて解説します。
1)生前贈与や遺贈により財産が残っていない
もらえない理由の1つは、被相続人が亡くなる前に、他の相続人に対して財産を贈与または遺贈してしまった場合です。
贈与や遺贈によって所有権が移転してしまい、財産が残っていなければ、遺留分を受け取ることができません。
2)相続人の1人が遺産を独占している
遺留分がもらえないもう1つのケースは、相続人の1人が遺産を独占してしまった場合です。
遺産は相続人全員で分けるべきものですが、1人が勝手に持ち出したり、他の相続人から財産の一部を奪い取ったりすることで、遺留分の受け取りができなくなってしまいます。
3)遺言書で自分への配分がなかった
遺留分がもらえない原因としては、遺言書に自分への配分がなかった場合もあります。
遺言書は、遺産分割の指示を記載した重要な文書ですが、遺言者が遺留分を考慮せず、全財産を他の相続人や第三者に分け与えた場合、財産を受け取ることができません。
ただし、遺言書があっても、法的に遺留分は保証されており、取り戻すことが可能です。
4)相続欠格や相続廃除により相続権を失ってしまった
相続人が相続欠格や相続廃除となってしまった場合、遺留分を受け取ることはできません。
相続欠格は法律に違反する重大な理由があるため、被相続人の意思とは関係なく相続人の権利を喪失させるものです。
一方、相続廃除は被相続人の意思に基づいて相続の権利を剥奪できるものです(民法891条、892条など)。
5)相続放棄をした
相続人が相続放棄(民法940条など)をした場合、その相続人は遺留分を受け取ることはできません。
相続放棄は、相続人が意思表示を行い、相続権を放棄することを指します。
放棄した相続人は、財産に関わる権利や義務から解放されますが、遺留分も放棄することになります。
参考:e-GOV法令検索「民法」
2.遺留分がもらえない場合の対処方法
遺留分がもらえない場合でも、適切な対処方法を選ぶことで遺留分を取り戻すことができます。
弁護士などの専門家の助言を受けながら、自身の権利を守るために行動しましょう。
1)遺産分割協議の求め
遺留分をもらえない場合、まずは相続人同士で話し合いを行い、遺産分割協議を求めましょう。
調停や裁判所の介入も必要に応じて考えられます。
2)遺留分侵害額請求権の行使
遺留分が相続人によって侵害された場合、遺留分侵害額請求権を行使できます。
遺留分に相当する金銭を相続人から請求する権利です。
3)遺言書の無効を主張する
遺言書が存在していたとしても形式的な要件を満たしていない場合や、遺言書が作成された時点で、遺言者に遺言能力がなかった可能性が疑われる場合などには、遺言の無効を主張できる可能性があります。
また、遺留分は遺言があっても侵害できませんので、話し合いが進まない場合には、専門家に相談しましょう。
4)相続人以外の人に相続財産が渡された場合
相続人以外の人に相続財産が渡され遺留分が侵害された場合、遺留分を請求できます。
相続人以外の遺贈の効力に問題がある場合には、法的な対応を検討しましょう。
5)相続人の1人が遺産を独り占めしている場合
相続人の1人が遺産を独り占めしている場合、他の相続人は遺留分を請求できます。
相続人の権利を主張し、遺留分を受け取るために行動しましょう。
6)相続人が民法所定の相続欠格事由に該当する場合
相続人が相続欠格事由に該当する場合には、遺産の相続権自体を失い、遺留分は請求できません。
ただし、代襲相続(民法887条)は可能なので、自分の子や孫は遺留分を請求できます。
このようなケースでは、弁護士に相談することをおすすめします。
参考:裁判所「遺留分侵害額の請求調停」
3.まとめ
遺留分がもらえない場合でも、あきらめずに適切な手続きを進めることで、自分の権利を守ることができます。
相続トラブルに直面した場合は、遺留分を取り戻すための対処方法を知ることが大切です。
専門家のアドバイスを受けながら、問題を解決するための適切な手続きを進めていきましょう。
遺留分などの相続トラブルに直面した場合、法的な手続きを行うことが重要です。
まずは、相続問題に特化した弁護士に相談することをおすすめします。
専門家のアドバイスを受けながら、自分の権利を守るための適切な手続きを進めましょう。
円満な解決を図るためには、冷静な対応と専門家の助言を受けながら解決策を模索することが重要です。