コラム
遺留分侵害額請求されたら
遺留分侵害額請求されたら
父が死亡し、母や長男、次男で葬儀をした後、父の遺言書が発見され、すべての遺産を長男に相続させる内容であった場合、長男は次男などの他の相続人から遺留分侵害額請求をされることになります。
長男とすると、すべての遺産を引き継ぐのはありがたいが、他の相続人との争いは避けたいと思うでしょう。
このような場合、相続人全員が合意すれば、遺言書とは別に改めて遺産分割協議をすることも可能です。
しかし、遺言書がある場合は、その内容どおりに不動産の登記や預貯金の払戻を受けることができるため、長男としてはそれを前提に相続を進めたいと考えることが多いでしょう。
もっとも、他の相続人からの遺留分侵害額請求を無視して遺言書どおりの相続手続きを進めてしまうと、あとで裁判を起こされる危険性があります。裁判となると終結するまでに1年はかかるため、解決までに無駄な時間や費用がかかってしまいます。
そこで、長男としては相手方と交渉をしたり、調停を行って、最終的に相手方に遺留分を確保できる分の代償金を支払うなどして、遺留分の問題を早期解決するのが望ましいでしょう。その際、必ず、お互い合意書を交わして、解決した旨の証拠としておく必要があります。