自筆証書遺言書を作成するときの素朴な疑問を弁護士に質問! |高の原法律事務所相続専門サイト

                       
  • 0742813677受付時間:平日9:00~18:00(土曜日応相談)
  • お問い合わせ

コラム

自筆証書遺言書を作成するときの素朴な疑問を弁護士に質問!

財産の多寡を問わず、遺言書がない相続は揉めるケースが多いと聞きます。
最近では終活の一環で、自筆証書遺言を作りたいとお考えの方も多いでしょう。
ところがいざ遺言書を書きましょうと言われても、基本的なルールや書いていいこと、悪いことなどの判断がつきにくいものです。
そこで今回は高の原法律事務所の坪田弁護士に、自筆証書遺言の作り方を伺いました。
 

自筆証書遺言に必ず守るべき4つのルールと注意点

——自筆証書遺言にはどのようなルールがありますか?
 
坪田弁護士:基本的なルールは「自筆で書くこと、日付と氏名を書くこと、押印すること」の4つです。
 
自筆証書遺言 4つのルール

  • 自筆で書くこと
  • 日付を書くこと
  • 氏名を書くこと
  • 押印をすること

 
このどれか1つでも欠けていたら、その遺言書は無効になるおそれがあります。
「自筆」とはすべての文章を手書きで書くことです。
パソコンで書いたものは遺言書としては認められません。
 
——自筆証書遺言を書くときに、どのような点に注意すべきですか?
 
坪田弁護士:判例にもよくある間違いは、「日付」です。スタンダードな日付の書き方は「和暦や西暦に、月日」を書けば問題はありません。ですが、ときとして「令和4年5月吉日」といった書き方をすることがあります。これも無効になりますので、日付は「●年●月●日」と正確に記載しましょう。
 
相続財産に不動産が含まれているときは、「不動産を特定できていないこと」によって該当部分の遺言が無効になることがあります。
遺言書や、遺言書に添付する財産目録には、相続する財産をすべて記載しなければなりません。
不動産であれば、登記簿謄本を取得して地番や面積を一字一句間違えないように書かなくてはならないのです。
ところが、登記簿謄本から書き写すときに、間違えてしまうことがあるんですよ。
そうすると、その部分について無効になってしまうことがあります。
 

相続財産はどのように記載すればいい? 財産目録の疑問を解決

——財産の種類が多いと、手書きではミスが増えてしまいそうです。財産の部分だけパソコンで作っても大丈夫ですか?(2:56)
 
坪田弁護士:財産の一覧は遺言書本文に書かなくても大丈夫です。「財産目録」に財産の一覧を書けば問題ありません。そして財産目録は、平成30年の民法改正でパソコンでの作成が認められるようになりました。
 
——遺言書や財産目録では、すべての財産を特定する必要がありますか?(4:00くらいから)
 
坪田弁護士:すべての財産を網羅できるのであれば全部書いたほうがよいです。しかし、財産が多かったり細かかったりして難しければ、書き切れない部分は「その他一切の財産」と書いてもよいでしょう。
 
ペットはどうする? 自分よりも相続人が先に亡くなったらどうすれば?遺言書の素朴な疑問を解決!
 
——被相続人の家具家電なども相続財産の一覧に含めますか?
 
坪田弁護士:ほとんどの場合、家具や家電などに価値はありませんので、遺言書や財産目録には書きません。書くとしたら「動産一式」などのざっくりとした書き方になります。
 
——被相続人が飼っている犬や猫などのペットについても遺言書や財産目録に書くことはできますか?その際にペットの世話を頼むことはできますか?
 
坪田弁護士:ペットも相続財産として、相続させることができます。またペットの世話を遺言で指定することもできますよ。
 
相続人に何らかの負担付きで財産を相続させる遺言のことを「負担付き相続させる旨の遺言」といいます。
相続人以外の人に何らかの負担と引き換えに財産を遺贈することを「負担付遺贈」といいます。
 
——遺言書を書いた自分(被相続人)よりも、相続人が先に亡くなるケースを想定して遺言書を作ることはできますか?
 
坪田弁護士:できますよ。「予備的遺言」といいます。
 
たとえば被相続人が、「Aさんに相続させる」と書いたとしても、被相続人より先にAさんが亡くなってしまうかもしれません。
そうすると、「Aさんに相続させる」とした財産については相続人たちで「遺産分割協議」を実施しなければならないんです。
そうなることを避けるための遺言が「予備的遺言」です。
 
先ほどのケースであれば、「Aさんが亡くなった場合は、Bさんに相続させる」という風に指定しておけば問題ありません。
 
——遺言書に書いても、実現してもらえない遺言の内容はありますか?
 
坪田弁護士:自分の財産ではないものについて書いても、実現はできません。それから「●●には何も相続させない」と書いても意味がないですね。
 
——自筆証書遺言は「検認」という家庭裁判所での手続きを経なければ、無効になると聞いたことがあります。本当ですか?
 
坪田弁護士:検認せずに開けてしまっても、遺言が無効になることはありません。そもそも検認というのは、家庭裁判所が「確かに遺言がありますよ」と確認する作業です。封筒が開けられたとしても、確認するだけですので、開封したところで有効・無効が争われることはありません。
 
——自筆証書遺言の保管制度とはどのような制度でしょうか?
自筆証書遺言の保管制度とは、法務局が自筆証書遺言を保管してくれる制度です。自筆証書遺言を法務局に預けておくことで、内容の改ざんや紛失のリスクがありません。また法務局が保管しておいた自筆証書遺言については、「検認」の手続きが不要です。
 
ただし自筆証書遺言を法務局で保管したあとに、新たな自筆証書遺言を作って自宅で保管した場合には、新しい自筆証書遺言が有効となります。
保管制度を活用する場合は、新しい自筆証書遺言を書くたびに保管を依頼するようにしましょう。
自筆証書遺言の書き方で困ったらご相談ください
 
——最後に自筆証書遺言の作り方で困っている方にメッセージをお願いします!
自筆証書遺言でお困りの方は、書き方などに悩まれるかと思います。
その場合は当事務所にお気軽にご相談ください。
適切な書き方や、遺言を無効にしないためのポイントをアドバイスいたします。

その他のコラム

遺言書を作成するメリット・デメリット

詳しく見る

遺言書作成の流れとポイント

詳しく見る

父親が亡くなったけれど遺言書がない!どうすれば?【弁護士に聞く】

詳しく見る

自筆証書遺言の方式の緩和(平成30年民法改正)

詳しく見る

遺産分割協議書とは

詳しく見る
  • 相続のご相談はこちらからお気軽にどうぞ
  • 0742813677 受付時間:平日 9:00~18:00
  • メールで相談予約をする