解決事例
遺言書作成
世話をしてくれている親族に遺産を相続させたいので、弁護士と共に公正証書遺言を作成した事例
●背景
Aさんは夫にも子供にも先立たれ、一人暮らしをしていましたが、病気がちで姪(Bさん)に身の回りの世話をして貰っていました。体調を崩して入院したあと介護施設に入所したAさんは、面倒をみて貰ったBさんに自分の財産を残したいと思いました。
Aさんの意向を受けて、Bさんが当事務所に来所され、弁護士に相談されました。相談を受けた弁護士は、法的にもっとも信頼できる公正証書遺言を作成することを勧めました。Bさんは相談の結果をAさんに報告され、Aさんは遺言書作成の手続きを弁護士に委任されました。
●弁護士の関わり
Aさんは体調が悪いため公証人役場に行けないので、弁護士は公証人に病院まで出張してもらい来て貰い、姪に自分の財産のすべてを遺贈するという内容の公正証書遺言を作成しました。遺言書には弁護士を遺言執行人に指名すると明記され、弁護士が遺言書原本を預かりました。
Aさんは、自分の希望通りに、財産を姪に渡すことができるので非常に満足されました。
既に体調を悪くしておられたAさんは、遺言書作成後1年を経ない時期に亡くなられました。弁護士は遺言書に従い遺言執行人としての業務を行い、Aさんの遺志どおりにBさんが遺産を相続されました。
●弁護士の所感
Aさんのように直系親族である両親、子供、孫がいない場合、遺産は兄弟姉妹や甥・姪などの親族に相続権があります。しかし、兄弟姉妹には遺留分はありませんので、Aさんが姪の一人に全財産を遺贈すると遺言すれば、それについては誰も異議を唱えることはできません。
特定の人に遺産相続をさせたい場合には、法的な効力持つ公正証書遺言にしておくことが重要です。
※ただし、遺留分がある場合は全財産の相続ができない場合があります。