解決事例
遺言書作成
遺産を巡って子供達の間に争いが起こらぬよう、弁護士と共に公正証書遺言を作成した事例
●背景
Aさんには子供が二人いて、長男夫婦と同居していました。娘は結婚していて別に生活していました。Aさんは、妻の死亡後に自分を引き取ってよく世話をしてくれている長男夫婦(Bさん夫婦)に多めに遺産を相続させたいと思い、当事務所を訪問され、弁護士に相談されました。
弁護士は、法的にもっとも信頼できる公正証書遺言を作成することを勧め、Aさんは具体的な手順を弁護士に委任されました。
●弁護士の関わり
弁護士はAさんから個別の財産額や子供達それぞれに遺贈したい財産を聞き取り、公正証書遺言の案を作成し、Aさんの了解を取りました。
弁護士はこの遺言書を公証人役場に示し、公正証書遺言として作成してもらいました。この公正証書遺言で、弁護士は遺言執行人に指名され、遺言書原本を預かりました。
●弁護士の所感
特に世話になっている子供に、多めに遺産を相続させたいと思うことは自然なことです。しかし、このような場合はきちんと遺言書で具体的な遺贈方法を残して置かねばなりません。又、遺言の内容が他の相続人の遺留分を侵害しないように注意する必要があります。遺留分を侵害していると、侵害分についての返還についての争いが起こり、却って争いの種を播いてしまうことになります。
今回の場合、Aさんは遺言書の付言で、遺言の趣旨を記し、子供達が自分の遺志を受け入れ、後々まで円満な関係を続けるように望んでいることを伝えようとされて、Bさん以外の子供の不満を和らげるように留意されました。