コラム
寄与分を請求する流れ(令和3年民法改正含む)
寄与分を請求する流れ(令和3年民法改正含む)
「寄与分」を請求する場合、まずは相続人間の遺産分割協議の際に話し合いを行います。ここでは、細かい資料がなくても、相続人全員が合意すれば、寄与分について自由に決めることができます。
しかし、相続人で話し合いがつかない場合は、遺産分割調停の中で寄与分を主張していくことになります。
調停でも話し合いがつかない場合は、遺産分割の審判になる際に、「寄与分を定める審判申立」を行う必要があります。いくら調停の際に、寄与分の主張をしていても、審判手続となれば、この審判申立をしておかないと、遺産分割審判事件では寄与分の判断がされません。いざ遺産分割の審判となったとき、寄与分が全く判断されておらず慌てるということがないように、きっちりと手続きを行う必要があります。
ただし、令和3年の民法改正により、寄与分の請求をするのは、相続開始時から10年経過後はできなくなりました(民法904条の3)。
紛争の早期解決を優先する法律改正がされたのです。
したがって、今後、寄与分を請求するためには、相続開始から10年経過する前に、遺産分割協議の中で、寄与分の主張する必要があります。なお、相続開始から10年以内に家庭裁判所に遺産分割の請求を申立てられていれば、その中で寄与分の請求をすることは認められます。