コラム
寄与分の算定方法
寄与分の算定方法
寄与分が認められる場合の算定方法については、寄与の態様ごとに異なります。
まず、①家事従事型は、家業を無償で手伝ったことが要件であるため、同種同規模の事業に従事する場合の年間給与額を基準とすることになります。具体的には以下のような計算となります。
「相当な年間給与額×(1-生活費控除割合)×寄与年数」
次に、②金銭出資型の場合、実際に出資した価格が寄与分算定の基準となります。
もっとも、実際には出資した金額がすぐに寄与分となるわけではなく、出資した金額、出資するにいたった事情や意図、出資した金銭の利用方法、その他一切の事情を考慮し、出資額の全部または一部を寄与分として考慮することになります。
最後に、③療養看護型の寄与分が問題となります。この場合、以下のような計算が基準となります。
「日当額×療養看護日数×裁量的割合」
日当については、現在は介護度に応じて一定の介護サービスを受けられるようになっているため、介護保険の範囲内で賄える行為である限り、介護保険の標準額を基準とするのが相当です。
裁量的割合については、被相続人との身分関係、被相続人の状態、専従性の程度、療養介護に従事するにいたった経緯などを考慮して決定します。これは、親族は扶養義務を負うため、第三者の介護保険標準額と同額の報酬額を支払うことは相当ではなく、一定の調整をする必要があるためです。