コラム
認知症の方、未成年者、不在者がいる場合の遺産分割協議書作成
認知症の方、未成年者、不在者がいる場合の遺産分割協議書作成
相続人の中に認知症の方がいて、遺産分割という法律行為をするだけの判断能力がない場合は、遺産分割協議ができず、協議書の作成もできません。
この場合は、認知症の人のために裁判所で成年後見人を選任してもらい、成年後見人が認知症の本人にかわって遺産分割協議をし、協議書への署名・押印も行います。
相続人の中に未成年者がいる場合、例えば小さい子がいるお父さんが病気で亡くなってしまった場合も、同じ問題が起こります。未成年者はまだ十分な判断能力がないため、遺産分割協議はできません。また、母親も、同じ相続人の立場であるため、子と利益が対立し、子のために代理人となることができません。このような場合は、裁判所に申立をして、未成年者のために特別代理人を選任してもらいます。そして、特別代理人が未成年者の変わりに遺産分割協議をし、協議書への署名・押印も行います。
最後に、不在者がいる場合も、同じく遺産分割協議ができません。この場合、不在者のため、裁判所に不在者財産管理人を選任してもらう必要があります。そして、不在者財産管理人は不在者が帰ってきたときのために遺産分割協議をし、協議書への署名・押印も行います。
なお、不在者は認知症や未成年者の相続人とは違って、現実にその場にいないことから、遺産を受け取ることが出来ません。そのため、「帰ってきた時に遺産を渡す」という内容で遺産分割協議を作成することもあります。